数多くのフィンガーピッカーが崇拝するレヴァランド・ゲイリー・デイヴィスは、晩年若いギタリスト達にそのテクニックを伝授したことで知られています。1950年代後半から60年代にかけてのことです。ステファン・グロスマン、ライ・クーダー、デイヴィッド・ブロムバーグ、デイヴ・ヴァン・ロンク、ウッディ・マン…手ほどきを受けたギタリストはそうそうたる顔ぶれでした。アーニー・ホーキンスもそんな中のひとりで、彼はデイヴィスの音楽を学ぶばかりか、時には盲目のデイヴィスを送り迎えしたり、最も身近にいたひとりだったのでした。
アーニーは、一時期バンドでの演奏が中心でしたが、今日ではソロでの活動が中心で、アメリカではブルース・フェスティバルには欠かせない存在となっています。また、マリア・マルダーのアルバムに参加したことで彼を知る方も多いかも知れません。TABギタースクールからは、『ギター・オブ・ライトニン・ホプキンス』『ギター・オブ・マンス・リプスカム (Vol.1 & 2)』『ギター・オブ・ブラインド・ウィリー・マクテル』といった教則ビデオをリリースしています。「若いとき、ブラインド・ウィリー・マクテルを探しに、アトランタまでヒッチハイクで行ったこともある」と言っていましたが、このことからも分かるように彼は非常に探求心旺盛で研究熱心なギタリストです。また今回のツアーでプレイを目の当たりにして感じたことなのですが、サウンドやグルーヴ感が本物のカントリー・ブルースマンにかなり近いミュージシャンです。ミディアム・ゲージを張り、サム・ピックとフィンガーピックを付け、主に2フィンガーでブラッシングを多用してハードに弾くのです。この手のプレイをするギタリストは、今ではなかなか見ることはできません。黒人カントリー・ブルースマンたちが伝説となってしまっている現代において、彼のような存在は非常に貴重ではないでしょうか。
今回が初めての来日ですが、奥さんのナンシーを同伴して非常にリラックスしてツアーを楽しんでくれました。私より10才も年上の方にこんな言い方は失礼かも知れませんが、アーニーはやさしく紳士的な“ナイスガイ”といった印象です。私も今回のツアーをとても楽しませてもらいました。
TABギタースクールでは、今後も皆さんに楽しんでいただけるように、いろいろ企画していきたいと思います。今後とも変わらぬご支援を、何卒よろしくお願いいたします。
2002年7月 TABギタースクール 打田十紀夫
※「アーニー・ホーキンス&打田十紀夫“アコースティック・ブルース・ライヴ”」の写真を何点かアップしました。写真の番号をクリックして下さい。
写真1…島村楽器津田沼店で開催されたアーニー・ホーキンス“ブルース・ギター・セミナー”(2002/6/22)
写真2…初来日の外国人ギタリストのセレモニー(?)、TABパンを持っての記念撮影。(2002/6/23)
写真3…東京(マンダラ2)のライヴより、打田のソロのステージ(2002/6/23)
写真4…東京ライヴでのアーニーのソロ・ステージ その1(2002/6/23)
写真5…東京ライヴでのアーニーのソロ・ステージ その2(2002/6/23)
写真6…東京ライヴでの打田とアーニーのブルース・セッションより。(2002/6/23)
写真7…ライヴ後のサイン会。(2002/6/23)
写真8…ライヴ後の打ち上げより。(2002/6/23)
写真9…名古屋に行った際、ライヴ前に近くのお寺にお邪魔しました。(2002/6/25)
写真10…お寺の中で正座して、庭に見入るホーキンス夫妻。(2002/6/25)
写真11…正座するお二人を反対から撮ったショット(2002/6/25)
写真12…名古屋今池のライヴハウスTOKUZOでのステージから。(2002/6/25)
写真13…ツアー最終日、大阪ミノヤホールでのアーニーのソロ・ステージ。(2002/6/26)
写真14…大阪ライヴでのアーニー&打田のデュエット。(2002/6/26)
写真15…美人の女性ファンから、お祭りウチワとワインのプレゼントが!(2002/6/26)
写真16…帰りの関西国際空港でのショット。(2002/6/27)