スコットランド出身のアコースティック・ギタリスト、トニー・マクマナスの初来日ツアー、各会場大盛況で無事終了することが出来ました。トニーの素晴らしい音楽性、卓越した実力は、以前からステファン・グロスマン、ジョン・レンボーン、ダック・ベイカーらから何度も聞かされていましたが、実際そのプレイを目の当たりにして私自身とても感銘を受けました。“世界一のケルティック・ギタリスト”と彼のことをかのジョン・レンボーンが称したのですが、それが紛れもない事実だと心から実感することが出来ました。あるときはアイリッシュ・フィドル、またある時はバグパイプ、あるいはアイリッシュ・ハープのように、アコースティック・ギターのサウンドを何の無理もなく自由自在にコントロールする彼のパフォーマンスは、長い歴史と膨大なレパートリーを誇るケルティック・ミュージックが本当に体に染み込んでいるがごとしでした。テクニックだけではない何かを感じさせるプレイでした。
もちろん、そのテクニックたるや今日のフィンガーピッキング界の最高レベルであることに間違いなく、右手の親指のダウンアップによる装飾トリプレット、左手のタッピングやプリング・オフでのベースを伴った人工ハーモニックス・メロディ、ブルーグラス・プレイヤーも顔負けのフラットピッキングによるソロ…など、ギター・プレイヤー垂涎の超絶技巧も盛りだくさんのステージでした。メインのメルヴィル・ギターとともに持参したリンダ・マンザのシタール・ギターの印象的なサウンドに驚かれた方も多かったでしょう。
現在彼はカナダに住んでいます。気候的には寒い地域ですので、日本のこの暑さは大丈夫かなと少し心配したのですが、日本に来る直前にゲスト参加していたチェット・アトキンス・コンベンションの開催地ナッシュヴィルの蒸し暑さは半端じゃなかったそうで、全然問題ないとのことでした。考えてみれば、彼は世界中ツアーしているわけですから、どんな環境でもベストなプレイができるリアル・プロフェッショナルなのです。トニーは今回の初来日をとても楽しみにしていてくれ、そしてまた実際にこのツアーを存分に楽しんでくれて、私もとてもうれしく思っています。このツアーで彼の音楽と人柄に直接接した方は、きっとまた彼に会いたい気持ちを持たれたことでしょう。それほど素晴らしいミュージシャンであり、ナイスガイでした。
ご来場くださった皆さま、応援してくださった関係者の皆さま、今回のツアーでも本当にお世話になりありがとうございました! 今後ともどうぞよろしくお願いします。
2008年7月 TABギタースクール 打田十紀夫
※「トニー・マクマナス Japan Tour 2008」の写真をアップしました。ページ番号をクリックすると、写真のページが開きます。各ページに数枚の写真とコメントを掲載してあります。それぞれの写真ページからは、ページの一番下のところから他の写真ページへ移動することが出来ます。
●写真撮影:吉澤一実氏(Back In Town・Thumbs Up)、WonderTone 末次宏氏(May Theater・Tokuzo)
Page 1…7/16 東京でのオフ(写真5枚)。
Page 2…7/17 東京“BACK IN TOWN”でのライヴより(写真4枚)。
Page 3…7/18 横浜“THUMBS UP”でのライヴより(写真4枚)。
Page 4…7/19 大阪“MAY THEATER”でのライヴより(写真9枚)。
Page 5…7/20 名古屋“TOKUZO”でのライヴより(写真6枚)。
Page 6…7/21 東京への移動。“BACK IN TOWN”でのライヴより(写真8枚)。
Page 7…7/22 東京でのオフ(写真4枚)。